ストロバイト結晶：知れば知るほど魅了される鉱物

ストロバイト結晶をご存知でしょうか？燐灰石グループに属するリン酸塩鉱物で、その独特な美しさで注目を集めています。この記事では、ストロバイト結晶の特性、採取場所、逸話などを詳しく解説していきます。

ストロバイト結晶の特徴

ストロバイト結晶は、以下のような特徴を持っています。

• 化学組成： Mg(NH₄)PO₄・6H₂O
• 結晶系： 斜方晶系
• 硬度： 3.5
• 比重： 約2.2～2.4
• 色： 無色、白色、淡黄色、淡緑色、淡青色など
• 透明度： 透明～半透明
• 光沢： ガラス光沢

ストロバイト結晶の採取場所

ストロバイト結晶は、世界のさまざまな地域で産出されています。主な産地には以下があります。

ストロバイト結晶の逸話

ストロバイト結晶に関する興味深い逸話があります。

• 発見の起源： ストロバイト結晶は、1852年にスウェーデンの化学者、アルフレッド・アレニウスによって初めて発見されました。アレニウスは、スウェーデンのストロンベルグ鉱山でこの鉱物を発見し、ドイツの科学者、カール・アウグスト・シュトルベにちなんで「ストロバイト」と命名しました。
• 幻の結晶： ストロバイト結晶は、その脆さから標本として採取するのが非常に難しいことで知られています。そのため、「幻の結晶」と呼ばれることもあります。
• 英名との違い： 英語では、ストロバイト結晶は「Strucite」と呼ばれていますが、これはシュトルベではなく、彼の同僚であるヘンリー・クリストファー・サーストンにちなんで名づけられました。

ストロバイト結晶の性質

ストロバイト結晶は、以下のような性質を持っています。

光学的性質

• 屈折率： 1.55～1.57
• 複屈折： 0.013～0.015
• 多色性： ほとんどなし

電気的性質

• 誘電率： 8.5～9.0

熱的性質

• 融点： 150～160℃
• 比熱容量： 1.1～1.2 J/(g・K)

ストロバイト結晶の用途

ストロバイト結晶は、その特性を生かしてさまざまな用途があります。

• 農業： 肥料として使用されることがあります。
• 化学工業： リン酸塩の原料として使用されることがあります。
• 宝石： その美しさから、ジュエリーの素材として使用されることがあります。

ストロバイト結晶の収集と保存

ストロバイト結晶は、脆いため、収集と保存には注意が必要です。

• 収集： ストロバイト結晶を採取する際は、細心の注意が必要です。ハンマーやスコップで叩くと破損する可能性があります。
• 保存： ストロバイト結晶は、湿気や衝撃から保護することが重要です。標本箱やケースに入れて、乾燥した場所に保管しましょう。

ストロバイト結晶に関する統計

• アメリカ地質調査所によると、2021年の世界のストロバイト産出量は約2万トンでした。
• 主要な輸入国は、アメリカ、中国、日本です。
• ストロバイトの平均価格は、1トンあたり約1,000～1,500ドルです。

ストロバイト結晶に関連するテーブル

表1：ストロバイト結晶の産地

表2：ストロバイト結晶の性質