耳垢が臭いのはなぜ？あなたも好き嫌いが分かれるイヤな臭いの正体

たとえ自分では気づいていなくても、実は耳垢の臭いに敏感に反応している人が多いのをご存知でしょうか？ある調査によると、なんと7割以上の人が「耳垢の臭いは嫌い」と回答しているのです。

では、なぜ耳垢は臭いの元になるのでしょうか？その正体を探りながら、好き嫌いが分かれると言われるイヤな臭いの秘密に迫ってみましょう。

耳垢の臭いの正体

耳垢の臭いの原因は、主に以下の2つです。

1. 皮脂腺からの分泌物

耳垢の8割近くは、外耳道の皮脂腺から分泌される皮脂です。この皮脂には、耳道内の皮膚を保護したり、細菌や異物の侵入を防ぐ働きがあります。

しかし、皮脂は時間が経つと酸化して過酸化脂質という物質に変化します。この過酸化脂質が特有の臭いを発しているのです。

2. 常在菌の増殖

外耳道には、常在菌と呼ばれるさまざまな細菌が生息しています。これらの常在菌は通常、耳道内の環境を健全に保つ役割を果たしています。

しかし、過剰に増殖すると、皮脂を分解して臭いを発生させます。特に、アクネ菌という細菌が関与していることが分かっています。

耳垢の臭いが好き？嫌い？

ある調査によると、耳垢の臭いに対して、「好き」と答えた人が約2割、「嫌い」と答えた人が約7割、「どちらでもない」と答えた人が約1割という結果が出ています。

このように、耳垢の臭いに対する好き嫌いは人によって大きく異なります。好きな人は「セクシーな香り」と表現したり、「クセになる」と言ったりする一方で、嫌いな人は「クサい」「吐き気がする」と感じるようです。

臭い耳垢は問題？

耳垢の臭いは、必ずしも問題ありません。ただし、以下のような場合は、耳に問題があるサインの可能性があります。

• 異常に臭い
• 耳だれを伴う
• 耳が痛い
• 聴力が低下している

このような症状がある場合は、耳鼻科を受診することをおすすめします。

耳垢の臭いを抑えるには？

耳垢の臭いを抑えるための効果的な方法をいくつかご紹介します。

1. 耳掃除をこまめに

耳垢がたまると臭いが強くなるので、こまめに耳掃除をして取り除きましょう。綿棒や耳かきを使わず、ぬるま湯で耳の入り口を優しく洗うのがおすすめです。

2. 石鹸で耳を洗う

週に1回程度、石鹸で耳を洗うと、過酸化脂質や常在菌を減らすことができます。ただし、耳の奥まで石鹸を入れないように注意しましょう。

3. 耳垢栓を除去する

耳垢が詰まって耳垢栓ができていると、臭いが強くなります。耳垢栓は、耳鼻科で除去してもらうことができます。

4. 過酸化水素水を使用する

過酸化水素水には、過酸化脂質を分解する働きがあります。綿棒に過酸化水素水をしみ込ませて、耳の入り口に数滴垂らしましょう。

5. プロバイオティクスを摂取する

プロバイオティクスには、耳道内の常在菌バランスを整える働きがあります。ヨーグルトや乳酸菌サプリメントを摂取すると、臭いを抑える効果が期待できます。

まとめ

耳垢の臭いは、皮脂腺からの分泌物と常在菌の増殖が主な原因です。好き嫌いは人によって異なりますが、異常に臭い場合は耳に問題がある可能性があります。耳垢の臭いを抑えるためには、こまめに耳掃除をしたり、石鹸で耳を洗ったり、耳垢栓を除去したりするのが効果的です。